早稲田神社

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早稲田神社について・日本のしきたり / 2019.08.12 更新
お盆に仏壇横に飾る盆提灯。何故飾られるのか、いつまで飾るのか?

お盆直前ということもあり、祖父母の家へと帰省されている方も多い頃ではないでしょうか。特にお車で移動される方は普段よりも遠方への運転となる為、安全には特にお気を付けください。

さて、本日の早稲田神社通信ではお盆の風物詩ともいわれていた、仏壇の前に飾る盆提灯についてご紹介をさせて頂きます。

最近は手間暇の面から盆提灯を飾る方も少なくなっているそうです。この機会に盆提灯のことを改めて知って頂き、日本のしきたりとして飾られる方が少しでも増えれば幸いです。

そもそも、盆提灯ってどんなもの?

まず、盆提灯自体を見たことが無い方も増えていらっしゃいますので、どんなものかをご紹介します。
こちらの画像をご覧ください。(進物の大進 様より引用)

仏壇の脇にたてられている提灯。これが盆提灯です。
綺麗な装飾がされた立派な提灯です。画像では両脇に4つずつ設置されていますが、現在はスペースの問題からここまで設置される家庭はほぼありません。
仏壇横に良いものを1つだけ置くスタイルの方が主流となっております。

お盆に仏壇傍に盆提灯を置く理由とは?

それでは、なぜ仏壇横に提灯を置くようになったのか?

その理由は、ご先祖様に対して「あなたの帰る家はここですよ」と迷わず帰って来て頂く為の目印として置かれるようになりました。
迎え火や送り火といった言葉を聞かれたことはあるでしょうか‽
ずばり、盆提灯はその代わりとして始まったしきたりです。

少しだけ、脇道になりますが、「迎え火」と「送り火」についてお話をします。

本来の迎え火や送り火とは?

昔はお墓や菩提寺に家族全員で提灯を持って行き、お墓の前で提灯に火を入れ、その火を消さずに持ち帰り、火を仏壇に移すという流れを迎え火としていました。
お墓の前から家までご先祖様を導く為の火だからこそ、迎え火と呼ばれたわけです。

逆に送り火の方はご先祖様があの世へと迷わず帰られるように送り出す為の火です。迎え火とは逆に仏壇の火を提灯に移し、それを消さずにお墓や菩提寺へ持参し、お墓の前で提灯の火を消して、ご先祖様の霊を送り出すという流れを送り火としていました。

しかし現代ではお墓や菩提寺が遠い場合が多く、火を持って移動ということも困難なため、ご自宅の玄関先でオガラなどを燃やすなどして、迎え火や送り火が行われます。

それすらも住宅事情の変化から難しくなった為、その代わりのものとして提灯が飾れるようになりました。

ご先祖様に対しての崇敬と敬愛が盆提灯には込められています。

盆提灯はいつからいつまで飾るものなのか?

地域によって多少の差はありますが、迎え盆の13日~送り盆の翌日である17日まで飾られることが多いです。ただ、それより前から後まで長い間設置していても問題はありません。

お盆が終わった後は、盆提灯はお寺さんにてお焚き上げをお願いし、供養することが一般的です。

本日のまとめ

本日は盆提灯についてご紹介をさせて頂きました。
「小さい頃見た祖父母の家にはあったなぁ……」なんて懐かしく感じられた方も多いのではないでしょうか。

ご先祖様が迷わず家に帰って来て、また家を出ていけるようにする為の「迎え火・送り火」としての盆提灯。
13日~17日が飾る日となっておりますので、ぜひ今後お飾りになられてみてください。