
『土用(どよう)』と言われると、丑の日にうなぎを食べる土用の丑の日を思い浮かべますよね。
土用=丑の日=うなぎを食べる日
なんて全部イコールで覚えている方や
「土用の丑の日」でひとつの言葉と覚えている方もいそうです。
そもそも、土用が年に4回あることってご存知ですか?
意外に知られていない、土用の日に関して今回はご紹介いたします!
知ってると「へ~っ!」って言われてちょっと物知りさんになれるかもしれません。
土用は年に4回! 季節の変わり目の約18日間ずつある!
まず、土用の期間についてご紹介します。
うなぎを食べる夏場の土用の丑の日ばかりが有名ですが、実は土用は年に4回、春夏秋冬それぞれの季節の変わり目毎に巡ってきます。
その土用の期間で十二支の丑の日のことを土用の丑の日と呼んでいるんです。
では、実際にいつになるのかと言いますと、各季節の立春・立夏・立秋・立冬の前日までの約18日間のことを土用と呼びます。
1年間で言えば、約72日間は土用の日なんです。
土用と呼ばれるのは、五行思想が由来
次に、なぜ土用と土の字が当てられているのかというと、五行思想が由来です。
五行において春=木気 夏=火気 秋=金気 冬=水気と四季に割り当てられていて、土気は季節の変わり目に割り当てられています。このことから、土用と呼ばれるようになりました。
四季に割り当てられなくて、まるで土気があまりもののように感じるかもしれませんね。ですが、それは大きな間違いです。
土気というのは、五行思想的には土にまかれた種が発芽して育つことから『大きな変化を促し、保護する働きがある』とされます。
だからこそ、四季それぞれの気へとエネルギーが移り変わる際、間に緩衝として土気が入り、大きな摩擦等が起こらないようになっていると考えられています。
現実でも季節の移り変わりは暑くなったり寒くなったりを何度か繰り返して移り変わっていきますよね。
土用の日にしてはいけないこと
では、次は神社らしく『土用にしてはいけないこと』についての話です。
実は土の力が強い土用は、逆に土を動かす作業(引っ越し、地鎮祭、造園関係、柱立て、基礎工事、上棟、壁塗り、井戸掘り)をしてはいけない期間なんです。
「土の力が強い期間だからこそ、土関係のことをするべきなのでは?」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、先ほど土気を『大きな変化を促し、保護する働きがある』と言いましたように、土の力とはどっしりと変化がない時にこそもっとも発揮されるものです。
だからこそ、変化を起こす土を動かすことをしてはいけないとされています。
また、土用の期間中には土の中に「土公神(どくしん・どこうしん)」と呼ばれる神様がいらっしゃるので、動かすと怒りに触れて災いが降りかかるともいわれています。
この話は建築関係の方なんかは、ご存知なことが多いです。
引っ越しや新築で家を建てることを相談したりした時に土用にかかると「その日は縁起が悪いですよ」なんて言われるかもしれません。
唯一土用でも土を動かして良い日
土用は土を動かしてはいけない。とはいえ、完全に守ると社会的に色々な部分に不都合が発生してしまいます。
その為、土用の間でも『間日』と呼ばれる日にちならば、土公神が土の中から出てらっしゃるから、大丈夫とされています。
この間日ですが、それぞれ
冬の土用 (寅・卯・巳)の日
春の土用 (巳・牛・酉)の日
夏の土用 (卯・辰・申)の日
秋の土用 (未・酉・亥)の日
と定められています。
早稲田神社にも地鎮祭の日取りなどがどうしても土用の日になる場合には間日を選んでご祈願させて頂いています。
2018年の土用の日をご紹介
今回は土用の日に関してご紹介させて頂きました。
結構「へ~っ」という知られていない内容ではなかったでしょうか。ぜひ、お知り合いとかに話をしてみてください。
最後に、2018年の土用の日をご紹介いたします。
・2018年の土用
・冬の土用
1月17日~2月3日
2月4日(立春)
丑の日 1月21日 2月2日
間日
1月22日 1月23日 1月25日
2月3日
・春の土用
4月17日~5月4日
5月5日(立夏)
丑の日 4月27日
間日
4月19日 4月20日 4月23日
5月1日 5月2日
・夏の土用
7月20日~8月6日
8月7日(立秋)
丑の日 7月20日 8月1日
間日
7月22日 7月23日 7月27日
8月3日 8月4日
・秋の土用
10月20日~11月6日
11月7日(立冬)
丑の日 10月24日 11月5日
間日
10月20日 10月22日 10月30日
11月1日 11月3日
以上、ぜひご参考にされてください。