早稲田神社

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日本のしきたり / 2019.10.28 更新
「文化の日」 温故知新-アナログ礼賛-

先日執り行われた「即位礼正殿の儀」をご覧になった方も多いかと思います。
千年もの歴史を持つ儀式は、壮麗厳粛で日本の伝統絵巻を垣間見るよう。まさに世界に誇れる日本文化の貴重な一場面でした。
尊い歴史と文化、今なおそれを継承し礼節を重んじる。天皇陛下のご即位とともに、日本人であることを誇りに思えるような、そんな背筋を正すような光景でした。

ここ、早稲田神社の境内からも「人々に寄り添い、平和を願います」
皆さまいいかがお過ごしですか。早稲田神社通信です。

「文化の日」

11月3日は明治天皇の誕生日にあたり、国民の祝日の一つです。
文化の日は、「自由と平和を愛し、文化をすすめる」ことを趣旨としています。

この日、皇居では文化勲章の親授式が行われます。
文化勲章は、科学や芸術など文化の発達に貢献した者に授与される勲章です。
当年のノーベル賞受賞者が、文化勲章未受章の場合にも授けられます。
そして人類初の月面着陸を果たしたアポロ11号の宇宙飛行士3名にも、文化勲章が授けられました。日本文化においてのみならず、海外へ向けてもその功績を表彰されたということは、あまり知られていないのではないかと思います。

また11月3日は、文化的な趣旨の日としていくつか制定があります。今回はその一部をご紹介します。


・レコードの日
日本レコード協会(RIAJ)によって「レコードは文化財」として制定されています。

この日発売の限定レコードが多数あり、その商品目的の購買者は段々増えているそうです。レコード店によっては、開店時間を早めて対応されるほどだとか。同時にお店では各種イベントが開催され、DJやミュージシャンによる演奏・トークと、企画も盛りだくさんです。
意外なことにCDの需要は年々減少傾向にあるのに比べて、レコードの需要はむしろ増え続けているのだそうで驚きです。
そんな流れのなか、アーティストもCD作成に併せてレコードをリリースするのが当然のようになってきているみたいです。希少価値の高いレコードを求める方が定着する傍ら、若い方たちがコレクションとして購入することも多く、それとともにプレーヤーの需要も高まっているそうです。
レコードに静かに針を置き耳を澄ませる、丁寧でゆっくりとした一連の動作に、いそがしい現代人は心の穏やかさを求めているのでしょうか。

そしてレコードだけでなく、今ではカセットテープも見直され始めているとも。
懐かしさを求めるのはもちろんのことですが、どうやら古い物のなかに新しさを見出す若い方たちが、新たにその価値を発掘してくれているようですね。


・文具の日
東京都文具事務用品商業組合等によって「文具と文化は歴史的にみて同義」として制定されています。

文具といっても、今や主流はすっかりパソコンにスマホの時代。
筆記具の活躍も本当に少なくなりました。文字を書く作業が少ないと、自然と漢字も忘れてしまいそうですね。
文房具というのは、なかなか美しいものです。いまいちどキーを打つ手をペンに替え、紙という媒体に文字を記してみるのも、落ち着きを取り戻すのに案外良い方法ではないでしょうか。

世の中はすっかりデジタル化して、スマホにPCは必要不可避になっています。時代に逆行してアナログが台頭される、なんてことは簡単には考えられない勢いですが、こうして少しずつでも古き時代の良いところが着目されつつあるのは、とても良いことですね。


急速な文明進化にともなう、地球温暖化や自然破壊などには考えさせられることが多いです。繰り返される災害の規模はますます大きく、被災地ではネットワークそのものが機能しなくなる事態も起きています。このたびの台風19号によって被災された地域の方々、避難生活を送られている多くの皆さま。そして、復興のため尽力されている方々。どうか一日も早い回復を心よりお祈り申し上げます。

そして機能化の追求によって、時間に追われる人々のさまざまな社会問題と現代病。
時代の高速化とともに自然を、心を、どうぞ失わないようにと願わずにはいられません。


【お知らせ】
月次祭 毎月一日
 9時~9時半 祭典(当日参加可)
 9時半~12時頃 神前粥の振舞い
あおぞらふれあい市
 11月3日(日)午前10時~午後4時まで

どうぞ、早稲田神社へお越し下さい。
古き良き伝統で、皆さまをお迎えいたします。