早稲田神社

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神事や祭礼・早稲田神社について・日本のしきたり / 2019.09.21 更新
秋を待ちわびて 「秋分の日」と「お彼岸」

あれほど暑かった日々が一変して、ここ数日は肌寒さすら感じます。
夏の終わりにも、いっとき雨が続き、急に冷えた週がありました。このまま秋かな、と思っていたら、のちにまた蒸し暑さが盛り上がり。
そんなことが関係しているのでしょうか。少し前には、のき先の藤の花が返り咲いて、それは良い香りを放っていました。どうやら季節を迷い、初夏を勘違いしてしまったようです。
そういえば、晩夏にかけていつも耳にするひぐらしの声。なぜだか今年は耳にしませんでした。遠い山並みに、しっとりとこだまする鳴き声は、趣を感じられてとても良いものです。夏の盛りでも空気が冷えると鳴くようですが、このたびはさすがのひぐらしも暑過ぎて、出番を控えてしまったのでしょうか。
そして、つくつくぼうしが思い出したように鳴いています。

人のみならず、虫も花も、生き物たちはみな戸惑っているようです。緩やかな季節の移ろいはどこへ。
季節でさえも時をためらい、迷子になっているみたいですね。

ここ、早稲田神社の境内では、穏やかな空気が秋を誘(いざな)います。
みなさま、いかがお過ごしですか。早稲田神社通信です。

「秋分の日」

9月23日は秋分の日です。
もともとは国家の祭日として、明治11年(1878年)に制定されたものでした。
この日は「秋季皇霊祭(しゅうきこうれいさい)」という歴代の皇族の霊を祀る宮中の儀式がとりおこなわれます。これは、天皇が国家と国民の安寧と繁栄を祈ることを目的におこなう、宮中祭祀(きゅうちゅうさいし)のひとつでもあります。

そして、産土神(うぶすながみ:生まれた土地の守護神)を祀る日でもあります。社日として氏子が氏神たる神社に参詣し、春は五穀豊穣を祈り、秋は実りある収穫に感謝する日とされています。すなわち、「春には五穀の種を供えて豊作を祈願し、秋にはその年の収獲に感謝するために神社に参拝する日」です。神社とは、とても縁の深い日でもあるのです。

近年、国民の祝日の日となった「秋分の日」は、お彼岸の中日であることから、祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ日」とされるようになりました。
この日を境に昼と夜の時間が同じになり、以降、段々夜が長くなっていきます。

暑さ寒さも彼岸まで。9月23日は彼岸入りも中日です。9月20日に彼岸入りをし、それから約一週間ののち、9月26日に彼岸明けを迎えます。中日の前後各3日を合わせた7日間を彼岸といいます。お彼岸というと仏事なので、神事とは少し線を隔すのですが、店頭に並ぶおはぎにはそそられます。
春のお彼岸には、その季節に咲く花である「牡丹(ぼたん)」の花を冠してぼたもち。そして秋のお彼岸には、秋の七草のひとつである「萩(はぎ)」の花の名を冠しておはぎ。という呼称で、同じお菓子でも呼び方が変わります。こんなところにも、日本の風流に含まれる粋なこころが感じられますね。
神社の参道にも、秋の七草である萩の花を見るようになりました。まだまだ他にも見つけられるはずです。
秋を探しに、みなさまどうぞ早稲田神社へいらしてみませんか。

9月は連休が続けてあるため、嬉しい月でもありますね。月曜日を連休にしたハッピーマンデー制度は、平成13年から施行されるようになりました。こうした連休制度は、アメリカ合衆国にある同様の制度(月曜休日統一法)の設定にならって制定されたそうです。ちょうど季節の変わり目です。この連休は、心も体もリフレッシュするのに最適です。お休みの日のくくりに、気候の変わり目に、ぜひご参拝に。お待ちいたします。

【お知らせ】
毎月一日は月次祭です。午前9時より執り行います。
10月6日(日)は、「あおぞらふれあい市」が開催されます。
作家さんの出店等、盛りだくさんです。定例の時間帯10時から16時となっております。どうぞみなさまお気軽にお越し下さい。

9月16日の中国新聞「洗心」のコーナーに、早稲田神社宮司についてご紹介頂きました。
http://wasedajinja.jp/wp-content/uploads/2019/09/20190916_chugokushinbun.jpg